NHK「ある、引きこもりの死」をみて8050問題とこれからの教育のあり方を考える。

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日本では親の高齢化と共に引きこもりの人が孤立する「8050問題」が深刻化している

というテーマの番組が多く目を引く。

 

先日NHK「ある、引きこもりの死」という番組があった。

www2.nhk.or.jp

 

引きこもりが長期化し、親も高齢になり亡くなり、

経済的に困窮し衰弱し孤独死していた

という方の生涯について取り上げていた。

 

 

このように引きこもっている中高年で

経済的に孤立・困窮している方が

数多く存在しているのだ。

 

そもそも、なぜ引きこもりが長期化してしまったのか。

その根底には精神的なダメージが大きく影響しているようだった。

 

この方は真面目に働いて働いて仕事を頑張っていたけれど、

職場の人間関係に馴染めず、

「仕事を頑張っているのに何もいいことがない」

と失望感を感じ、引きこもるようになったそう。

 

 

職場での人間関係がうまくいかない

仕事が続けられない

仕事ができない自分への自信喪失

社会においていかれている孤独感

親への負い目

など

 

マイナスな感情に駆られて、部屋から出て来れなくなった様子。

 

高度成長の時代、

たくさんの物を生産し、

物が溢れてきた時代。

いい学校に行って、高収入の仕事をして、

いい車に乗って、マイホームを作ることが成功だと言われた時代。

 

 

それができなければ幸せじゃない。

求められるものが多すぎて、

自分で自分に高いハードルを作って

超えられないことで自己肯定感が底辺に落ちてしまった。

 

 

10年、20年と引きこもってしまったら、

心の整理の仕方も分からなくなってしまうだろう。

 

何か手立てはなかったのだろうか。

 

そんなことを思いながらも、

亡くなられたこの方が大事に持っていた手紙にヒントが隠されていた。

 

 

この方が大事に持っていた手紙は、

精神科の病院に通っっていたときに、

相談員の方からもらった手紙だった。

 

”調子はどうですか?”

”会えて嬉しかったです”

など、この方を気にかけていることが綴られた手紙でした。

 

このような手紙をもらって、

とても嬉しかったのだろうな

と思いました。

 

いい年の男性が、仕事をしていない、社会参加していない

そのことでどれだけ周りが冷たい目で見て、

それを本人がどれほど辛かったか。

孤独感、疎外感、

「自分は誰にも必要とされていない」

そう自分で自分を追い込んでしまう状況の中、

”会えて嬉しかったです”と

自分の存在を認めて、気にしてくれている人がいるということは

どんなに嬉しかったでしょう。

 

引きこもりを長期化させないためには、

このように

”自分の存在を認めてくれる人がいること”

が大事なのだと思います。

 

別に仕事をしなくてもいい

いい学校に行かなくてもいい

 

”ただあなたが元気で笑っていたら嬉しい”

”ただ一緒に笑って過ごせたら嬉しい”

 

それだけでいいんだと

もっとハードルを下げて、

気負わなくていいんだと

身近な人に言ってもらえたらいいんじゃないか。

 

 

 

小さい頃からの教育は大事

40年前の教育と、現代の教育は全く異なる。

今からの時代にあった教育をしていく必要がある。

 

言い換えれば、40年前の教育の仕方は

間違っていたのではないだろうか。

 

これだけ多くの人が引きこもり、

多くの人が幸せを感じられない状況にある。

高学歴や高収入が幸せだと、

それに向けて教育を受けてきた時代。

 

みんなと同じレールを歩き、

はみ出したら怒られる、失望される。

 

日本人の自己肯定感の低さは

このようなレールに沿った教育によるものではないだろうか。

そんなレールを歩いても幸せにはなれないことが

8050問題で実証されている。

 

これからの教育は多様性を認めることが大事だと思う。

個々人に合った分野を伸ばすこと

好きなことに取り組むこと

仕事の量や成果で個人を評価しないこと

そんな教育のあり方を検討していく必要がある。