【体験談】沖縄と県外の平和教育の違い。HSPは特に注意すべき

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こんにちは、おりゅうです。

 

沖縄では8月23日慰霊の日という県独自の休日があります。

沖縄戦において、日本軍の組織的な戦闘が終わった日とされ、

県民みんなで追悼する日となっています。

 

県外で生まれ育った私は、沖縄で子育てする中で、

小さい頃からの平和学習のやり方が全く違うことを考えさせられました。

 

<沖縄と県外との平和学習の違い、メリット・デメリット>

【沖縄】

・保育園の頃から、紙芝居などで「戦争」という存在を教える。

・一年中ニュースで戦争についてチョコチョコ話題が出てくる。

・すぐそばに米軍基地があるので、「なんであるの?」から戦争の話題になる。

・戦跡がたくさんある、戦跡の公園で遊ぶこともある。

・おじいおばあの戦争体験を聞くこともある。

 

(メリット)

・戦争が昔話ではなく、リアルな実話としてとらえることができる。

・小さい頃から戦争という存在を知ることで、少しづつ理解していくことができる

・慰霊の日などで、小さいことからお参りするなどして平和への祈りを行う回数が多い

 

(デメリット)

・一年中戦争の話やニュースばかりな印象

・米軍基地もあり、問題も多く、戦後が終わっていない状況

・戦跡が多く、地が悪いところがたくさんある

 

 

 

【県外】

・小学校に入るまで平和学習がない。

・小学校の平和登校日のみ、戦争について考える。

・広島長崎の原爆の日終戦日以外は戦争のテレビはほとんどない。

・戦場を体験した人が身近にあまりいない。

・戦跡に行かない

 

(メリット)

・小学校では平和学習が年に一回しかないので、戦争の悲しい話を聞かないで済む

 

 

(デメリット)

・小学1年生からいきなり「戦争」というフレーズを知るので、衝撃が大きい

・年に1回戦争の残酷な映像や話などを見聞きするので、「戦争=怖い」としか捉えられず、

戦争についての学習はホラー映画のような嫌な印象

・戦争はダメだというフレーズしか入って来ず、平和に対する本質を理解しにくい

・平和を祈る機会が少ない

・遠い昔話を聞かされているようで、現実味がない

 

 

 

いかがでしょうか。

実際に、県外の平和教育を受けた私と、

沖縄の平和教育を受けた子供たちの戦争への反応は

全く違うものでした。

 

もちろん個人の受け取り方はそれぞれだと思うし、

同じ教育を受けても、ショックを受ける人もいれば

あまり感じない人もいると思います。

 

【体験談】

私はHSPで刺激に対して共鳴しやすいのもあって、

県外の平和教育はトラウマでしかない状態でした。

小学校1年生の時に、夏休みに平和登校日があって、

「平和って何?学校行ける、イエーイ!」

こんなノリで学校に行くと、

いきなり原爆で被害にあった人たちのポスターがずらりと貼られた部屋に連れていかれ、

はだしのゲン」の原爆投下のシーンを大音響で見せられて、

怖くて怖くてその場にいることができず、

家に帰っても1週間は夜泣きして眠れず、

学校に行っても、平和教育をした部屋には一歩も入れず、

平和教育と夏の暑さの匂いが重なり、

夏が大嫌いになり、

夏休みの宿題に戦争の話のページが載っているだけで、

宿題のノートを開けることさえできず。

そんな平和学習大っ嫌いな状態になってしまいました。

未だに夏は大っ嫌いで、

夏になると戦争のリアルな映像が浮かんできて

夜眠れないことも多いです。

 

だから自分の子供達が小学生になって平和教育を受けることになった時、

担任の先生に相談しました。

刺激の強い映像や画面は控えてほしいことや、

戦争の残虐なことだけ伝えるのではなく、

なぜ戦争になったのか、どうすれば戦争をしないことを繋いで行けるかを

勉強してほしい

と言った内容を担任の先生にお伝えしました。

 

すると沖縄の平和学習を受けた子供たちの反応は、私の過剰な反応とは全く別物でした。

 

沖縄の平和学習には”語りべ”という実際に戦争体験したおばーやおじーが話をしにきてくれます。

生の体験の話を聞くことができるのです。

その話はとても想像つかないくらい恐ろしい話なのですが、

おじーやおばーが苦しいけれど、勇気を持って話てくれるので

子供達は一生懸命話を聞きます。

それでも怖いと思う子たちは、その場から退出することもできます。

 

映像も沖縄戦の映像です。

リアルな映像が使われることも多いです。

そこは見たことがある場所だったり、

あそこでこんなことが実際に起こったんだ

とリアルに想像することができます。

 

そして「月桃の歌」という平和の歌を慰霊の日の前の週から毎日歌います。

明るくて、優しい歌なので、家に帰っても口ずさんでいます。

 

そんな祈りの思いの中で慰霊の日の休日に入ります。

慰霊の日は正午になると、黙祷をします。

保育園もお休みになります。

保育園の子供は

「おじいちゃんとかおばあちゃんに、ゆっくり休んでねーってうーとーとー(お祈り)するんだよ」

と教えてくれました。

こんなに小さい子供でも、平和を祈るということができるんだ

と感心しました。

柔らかい、鎮魂の平和教育だなと思います。

 

戦争=怖い

ではなく、

戦争=みんなが悲しむ

そんな大変な戦争をくぐり抜けて生き延びた、おじいやおばあを大事にしよう

それが沖縄の平和教育なんだなと思います。

 

 

福祉施設などで仕事をしていると、高齢になったおじーやおばーがたくさんいます。

そんな戦争体験した高齢のおじーおばーには、

戦争で眼球がなくなり失明している人や、

親が戦争で亡くなり、精神疾患を発症した人など、

高齢になっても戦争の後遺症に苦しんでいる人たちが普通にたくさんいます。

 

認知症になったおじーやおばーが話すのは、戦争で亡くなった父や母のこと。

戦後75年経っても、戦後は終わってないんだなと

昔話ではなく、リアルな話として受け継がれています。

 

これから戦争を体験した世代が亡くなっていくことで、

戦争というものをホラー映画ではなく、

リアルな心を持って伝えていくことを私たちに求められていると思います。